流通革命 昭和37年 林周二氏著
昭和37年の初版をアマゾンで手に入れた。当時の定価は200円だが、1000円だった。なんせ47年前の本だ。
この状態で保存されたこと自体奇跡に近い。
氏は当時の大スター。
問屋を徹底的にこきおろす。
世の中には形態だけは存しても機能の失われた系が往々にしてある。人体における盲腸だの尾骶骨だのはそのよい例である。口銭をむさぼっている問屋などはそのよい例である。かつて流通経路者として何らかの機能を果たしていたのだろうが、今や盲腸化してしまった存在なのである。
「問屋無用論に反駁する」などという鬱憤晴らしの声明文(それらの内容は今日の問屋経営者の頭脳レベルを反映して、論理の貧弱なものが多い)
一般に機能を喪失した系は親不知のように次第に退化してその形態を失ってゆくであろうが、しかし既に存在している系たちは機能を失ってしまった後でもにわかにその形態を消滅し去るとは限らない・・・・
商社や問屋から感情的な反撥が出ているが、こういう反撥が出ること自体、系としての彼らが機能を失いつつあることの証左である。
などと問屋を徹底的にこき下ろす。
実に口が悪い。当時、自信に満ち満ち溢れたやんちゃな36歳の助教授だったのだろう。
註 系=システム
一方、サプライチェーンマネジメントの原型のようなものにまで言及しており氏の洞察力と想像力と感性には敬服してしまう。
実際問屋はなくならなかったが、氏はある意味天才であり、預言者だ。
そんな風に思った。
そして・・・
氏は著の中でこういうことが言いたかったのではないか・・・・
系としての機能を果たさない問屋は無用である・・・・・・系としての機能を果たす問屋は・・・・仕方ねえ。あえて容認しよう。
自分の業態が社会においてどんな機能・役割を果たしていけば生き残れるのか・・・
そのことを深く考えさせられる書籍なのであった。
何分、古いゆえ何か手が痒くなることも付け加えておこう。
by shintekiware5 | 2009-08-20 16:51 | お勧めの本