最後のスクラム

 イーブックアスリートというサイトをご存知でしょうか?
http://www.ebook-athlete.com/index.html

 このサイトのコンテンツは以下の通りです(サイトからそのままコピー)。

「イーブック・アスリート」は、新しいスポーツ文化を創造・支援するためのスポーツ専門電子書店です。

スポーツは頂点を目指し競い合うものから、心や体の健康や育成のためなど、幅広く人生や生活に彩を与えてくれるものです。

また、スポーツは応援して楽しみ、感動し、そして共有することで、さらなる感動を生むという側面も持っています。

現代社会は、インターネットを通じ誰もが考えや思いを発信できる時代になりました。

この「イーブック・アスリート」では、従来の出版という一方通行の概念を超え、情報の発信と受信との隔たりを無くし「楽しむ」「共有する」ためのスポーツ関連専門の電子書店を目指しています。


 私はこのサイトの管理者大元よしきさんと林敏之さんのブログが縁で知り合い、大元さんの高校の同級生であり私の大学の先輩でもあるW谷さんと昨年、2度酒を酌み交わしました。

 感性力に溢れた素晴らしい方です。

 その大元さんが書き、サイトに新しくアップされた「最後のスクラム」
http://www.ebook-athlete.com/bookshelf.html

 購入し読んでみました。

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 はっきり感想を申し上げます。

 そもそも「スポーツ小説」という分野は、試合中の選手の動きや、ルールの描写が非常に難しく読者に分かりやすく伝えるのに苦労するのは、我々素人でも容易に想像できます。

 しかも

 大元さんが難しいスポーツ小説の題材に選んだのはラグビー

TBSドラマ「スクールウォーズ」やユーミンの「ノーサイド」の時代は、かなり脚光を浴びていたこのスポーツも今ではずいぶん、マイナーになってしまいました。

 その上、

 大元さんが主人公に抜擢したのは花形のバックスではなくフォワードの最前列で最も過酷な目に遭うプロップ。

 さて

 プロップの苦労は私には痛いほど分かります・・・・

 寸足らずなロックだった私は現役中、何度かプロップへのコンバート話が出ました。

 3番を組まされたりしましたが、強いチームと組んだときの脳天から尻まで響く「ごぉつぅぅ~ん」という衝撃と、1番に首をとられ2階に持ち上げられるみたいに9の字になって浮き上がる屈辱を何度も味わいましたから・・・・・

 こんなにきつくて大変なポジションはありません。

 現役中プロップを続けた人を私は心より尊敬します。

 話を戻しましょう。

 最後のスクラムでは

 その難しい試合のシーンをまさにオンリーワン・ナンバーワンの筆力で大元さんが渾身の力を込めて表現しています。

 最後のスクラムは社会人ラグビーを題材にしており、100Pにわたりラグビーのことはもちろん、主人公のサラリーマンとしての活躍や職場の仲間とのふれあい、友達以上彼女未満の女性との爽やかなロマンス等がいきいきと描かれています。

 青春大河といっても過言ではないでしょう。

 ラグビーを経験したことのない方はもちろんの事、ラグビー経験者、もっといえばプロップやロックをやっていた方には絶対読んで欲しい。
 最後のページを読み終えたとき、私は暫く動けなくなってしまいました。

 大元さんの会心作。電子書籍「最後のスクラム」。

 超お奨めです。


 
 

by shintekiware5 | 2006-04-30 19:42 | お勧めの本